運用型広告のターゲティング条件

2017年2月10日

ターゲティング条件

環境

広告を閲覧する元の環境によってターゲティングができる。主に以下の項目で指定できるが、デバイス、地域は設定によって単価の相場も全く異なり、広告主との握りに含まれることが普通。この先の細かい運用の大前提となる項目であり、まともな広告運用のためには設定が必須である。言語や地域はマストで、デバイスはCTRや単価構造が大きく異なるので、分けて運用する必要がある。

  • デバイス(PC/モバイル/タブレット)
  • OS
  • ブラウザ
  • 地域
  • 言語
  • タイミング
    「平日の夜間」「土日の昼間」など、曜日や時間帯で広告を配信するタイミングを指定できる。
    深夜早朝を除外して配信する運用者も多いが、そもそもこの時間帯はインプレッション自体も少ないので、コストの消費も少ない。それにコンバージョンしないとも限らない。この時間帯だけCTRやCVRが低くなる特別な理由がない限り、時間帯指定はナンセンスである。
    一方でこの指定が有効なのは、電話によるコンバージョンが主体となる商材で、問い合わせを受け付けられる時間帯が決まっている場合。(休みの直前など)心が熱くなりやすい曜日がある商材でも有効である。

    • 曜日
    • 時間帯

リマーケティング

広告主のサイトに訪問した人に対して広告を見せる手法。広告主のサイトにDSPのタグを設置し、ページを閲覧したらDSPのサーバからCookieが発行される。そのCookieを保持する人(ブラウザ)に対して広告を表示する。単純に過去1度でもページを見たら広告を表示するという条件から、7日以内に買い物カゴなど特定のページを閲覧した人にのみ広告を表示するなどといった指定もできる。

どれだけ条件を絞り込むか(訪問ページ、リーセンシー)にもよるが、ディスプレイ広告の中では最高の費用対効果を発揮する。検索連動型広告の指名検索と同様、必須の施策。予算が少ない場合はリマーケティングだけでいい。

ただしそもそも目的が刈り取りであるため、認知を獲得したいキャンペーンではリマーケティングは意味をなさない。

リマーケティングでは以下の項目に基づいてセグメント(リマーケティングリスト)を分けて配信する/しない、入札の強弱を付けることがある。DSPによって指定できる項目に違いがあったり、タグマネージャでイベント機能などを併用することで指定できる条件を拡張できたりする。

  • 訪問ページ
    訪問したページが対象サイトのどこでもいいのか、それとも特定のページを訪問した人にのみ広告を表示したいのか。問い合わせフォームや買い物カゴの画面まで到達したもののコンバージョンしなかった人はCVRが高くなる。その分高めの入札をしても許容される。訪問ページの深度によって入札の強弱をつけることも重要となる。
    この訪問したページの指定方法がDSPによって異なる。主にサイト全体に共通のタグを設置し、管理画面上で訪問ページのURLパターンを正規表現などで指定してセグメントを作る(商品詳細ページのURLパターンなど)DSPもあれば、URLは指定できず、セグメントごとに個別のタグを発行して設置する(商品詳細ページ用のタグなど)DSPもある。
  • リーセンシー
    最終訪問からの日数でセグメントを分ける。最終訪問から間もないと買いたい心も熱く、時間が経つと冷めていくので、1日以内の人>1週間以内の人>1ヶ月以内の人と入札を弱めていくこともある。
  • 訪問回数やPV数
    訪問時のPV数でセグメントを分ける。特に直帰しなかった(PV数が2以上)人に限定して配信するのも有効である。
    サイトへの訪問回数で分けることもある。1回しか訪問したことがない人と複数回訪問した人とで分けて入札の強弱を付けるといった具合で。
  • イベント
    「ページの最後までスクロールした」「○秒以上滞在した」など、ユーザが具体的にとった行動に基づいて入札の強弱を付けることもある。特定の行動を達成したかどうかをJavascriptで検知し、それに対して配信を設定する。タグマネージャを使用する場合は、特定の行動をとった場合にのみリマーケティングタグを実行するという設定をする。Javascriptを使う必要があるが、Javascriptのさまざまな機能を使えるため、自由度は高い。
  • 他のターゲティング手法との掛け合わせ
    「1ヶ月以内に訪問した女性」などと、リマーケティングと他の絞り込み条件を掛け合わせることもできる。

オーディエンスターゲティング

  • デモグラフィック(属性)ターゲティング
    性別や年齢など、オーディエンスのデモグラフィック属性情報に基づいたターゲティングである。会員登録データなど、オーディエンスが自己申告で登録した属性情報(Yahoo! IDを作る時に登録した性別情報など)のこともあれば、DSP(というよりDMP)がそのオーディエンスのさまざまな情報に基づいて推測した性別などの情報であることもある。化粧品など、商材によってはこの設定が必須のこともある。
  • 行動ターゲティング(BT)
    オーディエンスの行動履歴、主にサイト訪問履歴に基づいたターゲティングである。行動履歴データからその人の興味関心を割り出した、たとえば「住宅に興味がある人」「美容に興味がある人」などと興味関心の単位で分類することが多い。「インタレストカテゴリ」「インタレストマッチ」などは行動ターゲティングの一種である。DSPではないが、住宅などではこれと地域を掛け合わせたYahoo!のエリア行動ターゲティングが鉄板メニューである。
  • オーディエンス拡張
    リマーケティングだけでは流入やコンバージョンのボリュームが少なく、もっと増やしたい。そういう場合にコンバージョンした人やサイトに訪問した(リマーケティングされた)人に類似した人をターゲティングする機能をもつDSPもある。この「類似した」の基準は各々のDSPが独自のロジックに基づいて持っている。

SSP(インベントリ)

一つのDSPには複数のSSPが接続されており、特に海外のDSPでは配信対象とするSSPを指定することができる。SSPによって配信されやすいサイトや単価の相場が変わってくるため、SSPを指定できるDSPでは設定するのがいい。ただし管理画面上で設定しても実際には効果がない、配信されない場合もよくあるため、過信が禁物な設定でもある。

ホワイトリスト

配信対象とするサイトをドメインで指定する。トップレベルドメイン単位、サブドメイン単位、ディレクトリ単位(第2階層までなど)と、DSPによって指定できる粒度が異なる。

ホワイトリストで配信するということは、指定したドメイン(サイト)以外には配信しないということである。間違いは起こらないが、これだけだとDSPで配信する意味がない。DSPを使う最大のメリットは、知らなかったけど有効なサイトが見つかる。それによって配信先の幅が広がり、ボリュームも大きくなっていくことにある。したがって完全にホワイトリストのみ配信というケースは少なく、ホワイトリスト配信をするラインアイテムとそうでないラインアイテムを併用して入札の強弱を付けることになる。

とはいえ国内のまともな(そこそこ以上の品質でまとまったインプレッションが出る)ドメインというのは有限個(トップレベルドメイン単位で1000もあれば間に合う)なので、最低限そこを押さえておけばよし、という運用のやり方もある。

ブラックリスト

配信してはならないサイトをドメインで指定する。ホワイトリストと同様、トップレベルドメイン単位、サブドメイン単位、ディレクトリ単位(第2階層までなど)と、DSPによって指定できる粒度が異なる。

ブラックリスト配信をするということは、指定したドメイン(サイト)を除くあらゆるサイトに配信をするということになる。したがってホワイトリストと併用することはあり得ない。

どうやってもまともなコンバージョンが上がってこない低品質なサイトや海外サイト、広告を掲載することによってブランド毀損につながるような悪質サイトなどは配信対象から除外すべきなので、ブラックリスト配信が基本になる。

コンテンツターゲット

広告を掲載するページのコンテンツを指定する。たとえば自動車の話題のページに自動車の広告を掲載するなどということを実現する。コンテンツの話題を任意のキーワードで指定できるDSPもあれば、DSP側が分類したトピックの一覧から選択するタイプのものもある。

ページのテキストを広告配信サービス(SSP)側が解析してコンテンツを分類する(コンテキスト)か、もしくは広告の掲載ページに検索エンジンから流入した場合のキーワード(リファラ)に基づいてコンテンツを分類する。ただしそもそもGoogle以外にまともなテキスト解析エンジンがなく、任意のキーワードに対してコンテンツのマッチングさせる技術はほとんどの広告配信サービスが持っていない(キーワードを使ってまともにターゲティングできるSSPがない)。さらにGoogleの検索結果ページからのリファラが取得できなくなってきているため、キーワード指定はGDN(Google AdWords)を除いて意味がない。

  • キーワード指定
  • トピック選択

リマーケティングは別格。そもそもリマーケティングとそれ以外では目的が異なるため、別キャンペーンとして考えるべきである。リマーケティングは検索連動型広告の指名検索と同様、必須の集客手法といえる。

適切に絞り込んでいくとコンバージョン確度が高くなる。一方で絞り込むほどボリュームは小さくなっていく。手間をかけるほどCPAは下がるもののコンバージョンは減少していくことがある。
検索連動型広告やリマーケティング広告のみでは獲得できるコンバージョンのボリュームに限界があり、それを打破するためにディスプレイ広告(のリマーケティング以外の手法)を採用することが多い。そういった場合にディスプレイ広告のターゲットを絞り込みすぎてしまうと本末転倒になってしまう。

絞り込むだけでなく、逆にターゲットを広げる、オーディエンス拡張も重要な施策の選択肢として考慮すべきである。さらにはDSPのターゲット設定では「不明」として出てくるセグメント、たとえば男性なのか女性なのか特定できないセグメント、年齢を特定できないセグメントなどともうまく付き合っていくことが重要となる。

絞り込むほどボリュームが小さくなり、その中で少しでも露出を増やそうすれば入札単価を上げる必要がある。また外部DMPを使う場合、そのコストが別途発生する。確度の高いセグメントを絞り込んでいけばトータルのCPMやCPCは高くなる。
一方でノンターゲティングであれば低単価で大量に配信できる場合もある。確度は低くてもそれを凌駕するボリュームを配信できることもあるため、ターゲティングとは逆の低単価という選択肢も忘れないこと。結局すべてはバランスである。